松江以西の山陰道(松江市竪町~浜乃木町)
今年(2024)から「出雲街道を歩こう」では、松江から出雲大社までの間を松江杵築往還経由でのご案内に切り替えましたが、山陰道で今市宿まで行くルートも利用されていました。以前の「出雲街道を歩こう」での掲載内容より、松江から今市までの山陰道を簡単にご紹介します。まずは松江市竪町から浜乃木町までです。
旧山陰道の道筋
国道9号の竪町交差点は山陰道から松江城への道が分岐する交差点です。現在は国道9号が東西に通っていますが、松江から西の山陰道はここから少し南下し、西に向きを変えて円成寺の前に出ます。そこからは概ね県道263号の道筋となります。
現在の国道9号の道筋は近代以降に宍道湖を埋め立ててできたもので、この付近の当時の湖岸線は概ね山陰本線の線路あたりでした。有名な嫁ヶ島の夕景も現在の国道にある宍道湖夕日スポットとは少し異なるものだったでしょう。
乃木駅付近では現在の県道の道筋は新しいもので、より古い道筋はそのやや東寄り、野代神社の鳥居前を通って低い丘陵を越えていくものでした。丘陵を下っていくと、松江農林高校のところで忌部川を渡ります。
沿道の史跡や見どころ
この付近には寺院や神社が多く、松江藩の初代藩主で松江城を築城した堀尾吉晴の墓がある円成寺、宇治川の先陣争いで知られる佐々木高綱や日露戦争の将軍で戦前の英雄だった乃木希典ゆかりの善光寺が旧街道沿いにあります。少し南下したところにある野代神社は天平時代以前の創建という相当古い神社です。
出雲国の旧街道沿いに多い丁地蔵もわずかながら保存されています。交差する道路の高架下に保存されている地蔵は道標にもなっており、「右 大社」という文字に山陰道も出雲大社への道であったことが読み取れます。
“松江以西の山陰道(松江市竪町~浜乃木町)” に対して1件のコメントがあります。