大山道分かれの道標(尾高道・丸山道・坊領道)

大山道は各地から大山に至る道なので、一筋の道ではありません。主な道筋として横手道、溝口道、丸山道、尾高道、坊領道、川床道の6つがあり、それぞれの道がまた枝分かれしていきます。大山周辺でその分岐点となる道標を見ていきましょう。今回は尾高道と丸山道、坊領道の2つの道標をご紹介します。

尾高道と坊領道の分かれの道標

大山博労座(現在の第4駐車場)から北西に出てすぐ、県道24号と県道158号の分岐点があり、そこに尾高道と坊領道の分岐の道標があります。

「右 みくりや いなば」

「左 よなご いづも」

言うまでもなく左が尾高道、右が坊領道です。造られた年はわかりませんが、とてもわかりやすい道標です。なお、県道24号は大山観光道路と通称される米子・松江方面から大山に至るメインルートの県道、県道158号は大山口駅や大山インターから一直線に大山に至る県道ということで、県道の分岐点において現在でもそのまま通用する道路標識と言えます。文字が大きく読みやすいので、それと知って見れば自動車で走りながらでも読み取れます。

別れの道標
尾高道と坊領道が分かれることがはっきりわかる

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尾高道と丸山道の分かれの道標

博労座から尾高道(県道24号)を2.5kmほど下っていくと、分の茶屋跡があります。ここは尾高道と丸山道の分岐点だった場所で、現在は道路脇にいくつかの石造物が保存されており、その一つが尾高道と丸山道の分かれを示す道標です。

「右 をだか」

「左 やわた」 

享保16年(1731)

保存状態があまり良くないので字も読み取りづらいですが、大山周辺でもかなり古い部類に入る道標です。現在、分の茶屋から丸山地区までは古道の道筋を辿ることができませんが、この付近だけは丸山道の道筋が見えるように草刈りがされています。なお、「やわた」は米子市の八幡地区のことで、現在の米子市でも南端の方の地区からは尾高道ではなく丸山道が利用されていたことがわかります。

分の茶屋跡の道標
分の茶屋跡に丸山道分岐の道標

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