真庭市に残る岡山元標の里程標

江戸時代初期に全国の主要な街道に一里塚が整備されましたが、実際にはほぼ正確に一里を刻んでいるものではなく、距離にかなり誤差がありました。また、最初に一里塚が整備されてから道筋が変わってしまったこともあったでしょう。そこで、明治時代に入ると主要道路に里程標が設置されることになりました。岡山県北部では津山を基準とした津山元標、岡山を基準にした岡山元標、西大寺を基準とした西大寺元標の里程標が残されており、今回は真庭市に残る岡山元標里程標をご紹介します。

岡山元標十七里里程標

岡山元標十七里の里程標は真庭市の中地区にあります。今回ご紹介する3カ所の中では唯一、ほぼ原位置に残されているようで、国道313号の歩道にひっそりと立っています。明治18年(1885)の里程標で、ちょうどこの年は落合から久世の間で現在の国道313号にあたる直線的な道筋が完成した年です。

ところで、岡山元標は岡山市の京橋西詰にあり、ここまで十七里の道筋を考えてみると、津山経由の津山往来、足守経由の大山道はいずれも距離が遠くなります。これは想像となり、ご存知の方がいればコメントいただきたいのですが、国道53号で福渡、福渡から県道30号で落合、落合から国道313号というルートだとほぼこの距離です。

岡山元標十七里里程標
岡山元標十七里里程標

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岡山元標十九里里程標

次に残っているのは勝山の十九里里程標で、十七里のものより2年新しい明治20年(1887)のものです。数年前までは勝山図書館前に保存されていたそうですが、真庭市立中央図書館のオープンに伴い、勝山図書館は取り壊され、道標は勝山郷土資料館前に保存されています。もちろんここは原位置ではないのですが、先述した十七里の里程標から旧道経由の距離を測っていくと、勝山の町並み保存地区内で8kmとなり、実は原位置にかなり近い場所で保存されていることがわかります。

岡山元標十九里里程標
岡山元標十九里里程標

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岡山元標廿二里里程標

最後は廿二里の里程標で、現在の保存位置は湯原温泉スポーツ公園の入口で、十七里と同じ明治18年(1885)の里程標です。勝山郷土資料館から現在の国道313号で距離を測ってみると約15kmあり、どちらの里程標とも移設されて保存されていることを考えてもそれ以上の大きな誤差となっています。詳細は不明なのですが、原位置は旭川対岸の釘貫小川地区内であったとも言われており、現在の国道313号とはどこかで大きく道筋が異なるものであったとは言えます。

岡山元標廿二里里程標
岡山元標廿二里里程標

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