清水寺への道標
安来市の清水寺は山陰でも屈指の大きな寺院で、昔から多くの参拝客があります。出雲街道(山陰道)からも遠くはなく、街道沿いにも清水寺を指し示すいくつかの道標があります。
門生の清水道道標
現在、東の米子方面から清水寺に向かう場合、島田地区の清水入口交差点で国道9号から県道257号に入るのが一般的と思われますが、古い道筋としてはもう少し東の門生地区からの広瀬清水街道が利用されていました。その分岐点である門生地区には道標が残されており、徒歩なら広瀬清水街道を辿って清水寺へ行くことができます。
「清水道」
この3文字だけが大書された道標で、脇には「清水寺道路寄付」と記された大正15年(1926)の記念碑も立っています。国道と鉄道に挟まれた場所だけに少しは移設されていそうな雰囲気ですが、この付近には清水寺仮乗降場という春の参詣シーズンのみ営業する山陰本線の臨時駅も昭和39年(1964)まで存在しており、清水寺の入口になっていた場所であることに間違いはありません。
安来明治町の道標地蔵
西から来た場合、清水寺への入口になるのは安来宿の西側で、現在の県道245号の道筋が清水寺まで続きます。安来市街を流れる木戸川の木戸橋の南に地蔵堂があり、その地蔵が道標となっています。
「従是清水寺道」
距離の表示もあり、「坂本迄四十丁」とあります。現在は安来市街の中にありますが、この場所は明治町という地名であることから、江戸時代にはまだこのあたりは市街化していなかったと思われ、地蔵堂も建て替えられてわずかな移設も行われたと思われますが、山に入るまでの距離は合致しています。