松江以西の山陰道(松江市宍道町佐々布~出雲市斐川町学頭)

今年(2024)から「出雲街道を歩こう」では、松江から出雲大社までの間を松江杵築往還経由でのご案内に切り替えましたが、山陰道で今市宿まで行くルートも利用されていました。以前の「出雲街道を歩こう」での掲載内容より、松江から今市までの山陰道を簡単にご紹介します。前回の松江市玉湯町林から松江市宍道町宍道までに続き、今回は松江市宍道町佐々布から出雲市斐川町学頭までです。

旧山陰道の道筋

宍道宿を出て佐々布川を渡ると、旧街道は南の丘陵に入ります。ここでは通り抜け可能な山道が残されています。標高が少し高くなっているので、眺望にも優れています。この道は県道57号に出て、階段で集落へ下っていきます。

短いながらも山道を通り抜ける
短いながらも山道を通り抜ける

佐々布地区ではしばらく集落内を西進した後、荻田児童公園の先では細い路地に入ります。溝の蓋の上を歩くような格好になりますが、ほぼまっすぐに西への道が続く、れっきとした旧街道の道筋です。

佐々布地区に残る旧街道の細道
佐々布地区に残る旧街道の細道

山陰本線の佐々布踏切を渡って国道に復帰すると、松江市最後の宍道町伊志見地区では旧国道が分岐しますが、ここに入らず国道を進み続けると伊志見一里塚の跡が残されています。そこから細道に入ると間もなく出雲市に入ります。

伊志見一里塚跡付近の道
伊志見一里塚跡付近の道

荘原駅付近では旧街道はまた山陰本線の南に移り、荘原駅の南にも一畑薬師常夜燈などの古い石造物があります。現在、宍道湖の西岸は広い平地になっており、川も直線的に流れていますが、これは江戸時代中期以降に河川が改修され、現在に至るまで宍道湖も少しずつ埋め立てられてきたことによるもので、この付近の旧街道が北へ南へカーブを繰り返すことが、かつての複雑な地形を思い起こさせます。

荘原駅南の一畑薬師常夜燈など
荘原駅南の一畑薬師常夜燈など

沿道の史跡や見どころ

宍道湖岸から出雲平野に移るこの区間、佐々布地区の東では少し高い位置を行くため、宍道湖、出雲平野、島根半島の山並みがよく見え、部分的には散居村が残っている様子も見えるなど、出雲平野の特徴が良く感じられる場所です。

出雲平野の眺めが良い
出雲平野の眺めが良い

伊志見一里塚跡は国の史跡に指定されている一里塚です。ちょうど国道から外れる地点にあるため、北塚と南塚の間に旧街道に該当する現役の細道が通っているため、当時の松こそ失われているものの、一里塚の形がそのまま残っています。

伊志見一里塚跡
伊志見一里塚跡

荘原駅の南には八上姫の伝説があり「日本三美人の湯」にも数えられる湯の川温泉があります。駅の南には温泉旅館もあり、国道沿いの道の駅にも足湯があります。

道の駅湯の川の足湯
道の駅湯の川の足湯

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