出雲街道の誕生寺道標

出雲街道を歩いた人々にとって、重要な目的地の一つだったのが法然上人(圓光大師)の生誕地である誕生寺でした。誕生寺は岡山市と津山市の間に位置する久米南町にあり、『平家物語』でも有名な平敦盛との一騎打ちで知られる熊谷直実が法然の弟子となり、建久4年(1193)に建立した寺です。

誕生寺

姫路市の下手野と青山の道標

山陽道から出雲街道が分岐する姫路市において、出雲街道の分岐を示してある下手野の道標と青山の道標はいずれも圓光大師二十五霊場を大きく表示しています。

下手野の道標は元の位置からは少し移動しているそうですが、山陽道から因幡街道・出雲街道が分岐する地点にあります。圓光大師二十五霊場の道標だけあって、第一番の誕生寺がメインの案内内容となっています。

(南面)

「圓光大師二十五霊場」

(東面)

「右 第一番 みまさか 誕生寺道」

明和4年(1767)

下手野の道標

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青山の道標は現在の夢前橋西詰交差点の少し北、県道724号と旧山陽道との交差点にあります。こちらは山陽道および因幡街道・出雲街道の沿線の地名が距離付きで多数記されている道標ですが、正面は最も大きく「圓光大師二十五霊場」と表示されて、誕生寺だけは別枠で案内されています。

(東面)

「圓光大師二十五霊場 美作国誕生寺道」

安政2年(1855)

青山の道標
青山の道標

因幡街道・出雲街道の分岐を示す大きな道標が圓光大師二十五霊場のものであり、誕生寺が明記されていることは、浄土宗の開祖である法然上人(圓光大師)を慕って全国から多くの人々が出雲街道を歩いたことをうかがわせます。

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津山市西寺町の道標

津山市の西寺町にあった道標でも誕生寺が案内されています。城戸口重吉という個人が建立した大きな道標で、現在は津山郷土博物館の前で保存されています。

(東面)

「左 作州たん生寺三里半 備前おか山 同神道黒住教十五里 讃州こんぴら三十四里 道」

明治20年(1887)

西寺町の道標(津山郷土博物館前で保存)
西寺町の道標(津山郷土博物館前で保存)

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※令和7年(2025)2月末まで、誕生寺ではクラウドファンディングに挑戦中です。ご興味を持たれた方は可能な範囲でご協力ください。https://readyfor.jp/projects/tanjoji2024

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