【途中下車の旅】播磨新宮駅(2.南口から~地形と交通を見る~)

播磨新宮駅の見どころについては「1.北口から~町の歴史を見る~」として姫新線の線路の北側をご紹介しましたが、続いて南側もご紹介していきます。

今も生きる街並みと播電新宮駅跡

播磨新宮駅が橋上化される前の駅舎は南側にあり、新宮の市街は主として駅の南側に広がっています。昔のメインストリートと言えそうなのが県道26号および国道179号の間にある南北方向の道です。古い家屋が多いだけでなく、営業を続けている店も多く残されています。

老舗も残る新宮の街
老舗も残る新宮の街

その市街地が終わりに近づいたところには播電鉄道新宮町駅跡という看板があります。播電鉄道は案内板にもあるように、網干から新宮までの間を結んでいた鉄道で、姫新線よりも早い大正4年(1915)に新宮まで開業したものの、姫路に直通する国鉄姫津線(現在の姫新線)の開通によって乗客が減少して昭和9年(1934)に廃線となりました。90年以上も前の廃線だけに鉄道の痕跡はほとんど残っていませんが、当時から国鉄以外の鉄道が通るほどの町だったと言えます。

播電鉄道新宮町駅の案内板
播電鉄道新宮町駅の案内板

東山公園と西山公園

新宮の市街は揖保川と栗栖川に挟まれた場所にあり、揖保川の東側には東山公園が、栗栖川の西側には西山公園があり、ともに駅から徒歩圏内です。

東山公園は紅葉の名所として知られる景勝地で、宿泊施設もあります。そして播磨新宮駅と東山公園を結んでいる揖保川の橋が吊り橋であることも大きな特徴です。この付近の揖保川はまだ幅も広いため橋は159mの長さがあり、30分に1回程度の列車が来る駅の徒歩圏内にこのような吊り橋があるというのは新宮にしかない個性的な場所と言えます。

東山公園橋
東山公園橋

一方の西山公園は駅の南側にある小山です。西から流れてきた栗栖川は揖保川まで1kmもないこの地点で南に大きく向きを変えます。西山公園には印象的な巨岩がいくつかあり、その地質と2つの河川の流れが興味深く感じられる場所であり、また、新宮市街の眺めも良く、弥生時代の遺跡が残る町が発展してきた歴史と地質や地形との関係について、想像してみるのも楽しい場所です。

西山公園からの眺め
西山公園からの眺め

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です